いよいよホテル療養開始です。
コロナ感染でホテル療養をするってイメージがあまりわかないと思いますが、私も同じようにどんな生活になるのかとても不安でした。
そこでホテル療養とはどんなものかをご紹介しようと思います。(あくまでも私の場合ですが。)※ホテル療養のルールなどは各施設によって若干違います。
都道府県、市町村のタクシー(搬送車)でホテルへ
診断日(1日目※発症日は0日目)の午前中にホテル療養の申し込みをして、午後には入所日と場所とお迎えの車の到着時間の電話連絡がきました。
翌日(2日目)、前日の電話連絡で聞いていた到着時刻の10分前くらいに電話連絡がきました。自宅付近に来ているので詳細な自宅の場所を伝えます。
タクシーと行っても運転席・助手席と、コロナ感染者が乗る席(後部座席)が完全に分離されている特別装備のミニバンです。
家を出ると目の前の道路にタクシーが止まっており、後部座席のスライドドアが開けられていました。
感染対策のため、運転手は降りてきません。自分でバックドアを開け、スーツケースをしまい、後部座席に乗り込みます。
運転手の方が何やら電話をしていましたがその声もほとんど聞こえないくらい密閉されていて、自分が「ああ、私って相当ヤバいウイルスに感染しちゃったんだな。」と実感させられます。
隙間なくぴっちりです。後部座席側の左の窓だけ5cmほど開いていました。自分で窓の操作やドアの開け閉めができないようにテープが貼ってありました。
ホテル到着
ホテルに入りますが、コロナ感染者はホテルの裏口から出入りします。
タクシーがホテル裏口に駐車すると、乗った時と同じように自分で荷物を下ろしてホテルに入ります。
受付
ホテルに入ると正面にテーブルと机が1セット、タブレットに受付の方が映っています。(横から撮っています)ここで事務手続きをしました。ホテル療養の同意書を自分で記入してボックスに入れます。部屋番号を教えてもらってエレベーターに乗ります。
フロアは各部屋毎にテーブルが置いてあってここにお弁当やお水などが置かれます。滞在中はこの赤線からから出ないように過ごします。
お部屋
お部屋は15平米と圧迫感のないお部屋で清潔できれいでした。
最初から部屋にあったのはお水2リットル×2本(こちらの療養施設では食事毎に飲み物はつきませんでした。)足りなくなったら連絡してもらいます。湯沸かしポット、金庫がありましたが使えないようになっていました。その下にあまり冷えない冷蔵庫があります。
テーブルには
- 体温計
- パルスオキシメーター
- ゴミ袋
- 生活のしおり(生活のルールや、退所の仕方までホテル療養で役に立つことが書いてあります。)
- 健康観察表LAVITAの使い方(毎日4回、携帯で検温結果と酸素濃度の入力があります。義務です。)
- 内線電話(外線禁止)(毎日1回の健康状態チェックと分からないことを質問したり、足りなくなった備品をお願いしたりします。)
ベッドには枕とかけ布団(カバーは不織布)があります。ダブルサイズでした。ベッドマットはサータ(シモンズより好き)で寝心地よかったです。
このホテルのお部屋はコンセントがたくさんあって(浴室のコンセントも合わせると10個もある!)大変便利でした。
バスルームもとってもきれい!(嗅覚障害が治ると少しにおいがありましたが…)バスマットとバスタブクレンジングが置いてありました。トイレ掃除できるものがあれば良かったです。(気にしない人は良し)
ハンガーは3本、ここにコロコロ(粘着テープ掃除)が置いてありました。
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食事
1日3回決まった時間にお弁当が出ます。
おかずは冷めていますが、ごはんがいつもあたたかかったです。ぬくもりが身にしみます。お弁当もほとんど同じメニューがなく、野菜も多めでうれしかったです。味もおいしかったです。療養期間前半、味覚・嗅覚障害があったのが残念でした。味覚が戻った時に「こんなにおいしかったんだ!」と感動しました。
食事の時間とゴミ出しの時間で他の入所者がいることが分かります。(食事が置いてあるのと、ゴミが出されているので)決して他の入所者と出会うことはありませんが、この時に「みんなコロナと戦っているんだ、(感染者は)自分一人だけじゃない」と励まされたのでした。
朝食例
左上から時計回りに、野菜サラダにブロッコリー、ポテトサラダ、フルーツ(パイナップル)、肉団子(この部分は日によって変わる)、ソーセージ、甘辛ひき肉入りオムレツにパンかふりかけごはんが付きます。
朝はパンとごはんが交互に出ました。パンが好きなのでうれしかったです。
昼食例
左上から時計回りに、ポテトサラダ、たくあん、キャベツといかのカレー粉炒め、カリフラワーの鰹節あえ、ブロッコリーとパプリカの炒め物?、ウインナー、鮭のクリームソースかけです。野菜がたくさんでうれしいです。家でもこれくらいたくさんの品目を食べたいものです。
夕食例
左上から時計回りに、カボチャの煮物、たくあん、千切りキャベツ、春巻き、ひじきの煮物、酢豚です。煮物がおいしいです。自宅でも煮物をもっと作ろうと思いました。
1日の過ごし方
時間・やること | 内容 |
7:00(1回目 検温・酸素濃度測定) | 爆音の放送で目を覚まし、健康観察表LAVITAに入力。ドリップコーヒーを作る。 |
8:00(朝食) | 朝食の配布が出来た放送が入るのでドアを開けて取りに行って食べる。 |
9:00(そうじ) | じゅうたんにコロコロをする。ベッドシーツと布団カバーを整え、除菌スプレーをかける。 |
9:15(自由時間) | 症状が重い時は寝ている。テレビを見たり映画を見たり音楽を聴いたりネットショッピングをする。 |
11:00(2回目 検温・酸素濃度測定) | 放送が入るので健康観察表LAVITAに入力。 |
12:00(昼食) | 昼食の配布が出来た放送が入るのでドアを開けて取りに行って食べる。 |
13:00(自由時間) | 症状が重い時は寝ている。テレビを見たり映画を見たり音楽を聴いたりネットショッピングをする。 |
15:00(ゴミ出しの時間) | 1日のゴミを出す。この施設ではお弁当のゴミも1つの袋に入れて出していました。 |
17:00(3回目 検温・酸素濃度測定) | 放送が入るので健康観察表LAVITAに入力。 |
17:30(運動) | 軽く汗をかくくらいのエクササイズをする。(体調の良い時) |
18:00(夕食) | 夕食の配布が出来た放送が入るのでドアを開けて取りに行って食べる。 |
19:00(風呂) | お湯をためて湯船でしっかり体をあたためる。良い香りのシャンプーを使ってリフレッシュ。 |
20:30(4回目 検温・酸素濃度測定) | 放送が入るので健康観察表LAVITAに入力。 |
21:00(体調確認) | 看護師さんから体調確認の電話が入る。 |
21:05(自由時間) | 症状が重い時は寝ている。テレビを見たり映画を見たり音楽を聴いたりネットショッピングをしたり家族とビデオ電話やLINEなどをしてコミュニケーションをとる。 |
23:00(就寝) | だいたいこの時間に就寝。咳がひどい時は夜中に2~3回起きていた。 |
とても規則正しい生活を送っていました。症状が軽くなってくると暇ですが、ホテルはとても静かで自分一人だけですし、他の誰とも会わないのでストレスなく快適に過ごせました。なんならもっと滞在したくらいでした。
回復の過程
- 0日目(発症日):喉が強烈に痛い・発熱39度まで上がる
- 1日目(診断日):喉が強烈に痛い・発熱38.5度・咳が出始める・薬を飲み始める
- 2日目(昼からホテル療養へ):喉が強烈に痛い・療養施設の事務員さんと電話できないほど咳が出る・とんぷくが切れると熱が上がる(38度でとんぷくを飲む)・味覚、嗅覚障害が出る
- 3日目(ホテル療養2日目):喉が強烈に痛い・咳き込みがつらい・とんぷくが切れると熱が上がる(38度でとんぷくを飲む)・味覚、嗅覚障害
- 4日目(ホテル療養3日目):喉が痛い・咳が少し良くなるが断続的に出る・熱が平熱になる・味覚、嗅覚障害
- 5日目(ホテル療養4日目):喉が痛くなくなる・咳がよくなるが出る・味覚、嗅覚障害が治る
- 6日目(ホテル療養5日目):咳が出る
- 7日目(ホテル療養6日目):咳が出る
- 8日目(午前中退所):咳が出る(市販薬をのむ)
咳が一番ひどかった2日目(ホテル療養1日目)と3日目(ホテル療養2日目)が辛かったです。その後回復していきますが、退所した後も咳は続きました。
風邪とコロナの症状の違い
風邪の時は高熱が出て全身がおもだるく、節々も痛くなり、とてもじゃないけと動けない。という感じですが、コロナの場合は同じ症状が出ても「全然動ける」でした。高熱も出ましたが意識もはっきりしていましたし、なぜか動くことができました。
個人差がありますが、私の感じた風邪とコロナの症状の違いはこのようなものでした。
一番嫌だった症状
喉の強烈な痛みも窒息しそうなくらい出る咳も苦しかったですが、嗅覚障害と味覚障害は最も苦痛でした。
飲み物、食べ物のにおいや味がしない事は、制限された生活の中ではとても苦痛に感じました。まだ熱がある時はそこまで気になりませんが、熱が下がってくると体が元気になるので食欲もわいてきます。それなのに楽しみの食事に味がないとか辛すぎます。
退所日
発症日から7日目は体調観察の24時間になります。解熱剤を使わずに24時間、発熱なく、他の症状も軽快している状態を確認できると医師の判断の上、翌日退所となります。
私の滞在した療養先では朝8:30分の退所となりました。
退所日にやること
- 部屋を掃除する(来たときの状態に戻す)
- 布団カバー・枕カバー・シーツ・バスマットをまとめてゴミ袋に入れて口を縛って室内に置いておく
- ゴミの袋の口を縛ってドアの外へ置いておく
- カードキーを持って指定時間に部屋を出て1階へ降り、退所手続きをする。
ホテル療養を体験して
コロナに感染して一番他人にうつしやすい期間にホテルに隔離療養できて本当に良かったです。
自宅療養していたらこんなにのびのびと生活できません。咳も遠慮なくできる、鼻水も思い切りかめる、熱で苦しくてもマスクをしなくていい、食事の心配をしなくていい、お風呂も歯磨きも好きな時にできる、急な体調変化にも看護師さんにすぐ相談できる。などなどメリットだらけのホテル療養でした。
自分がコロナに感染してない頃はテレビで脱走のニュースを見たり別の世界のことで、本当に役にたってるのかどうかと思っていましたが、いざ当事者になるとこんな素晴らしいシステムはないなと感じました。
このホテル療養を通してお世話をしてくださった皆様に心から感謝しています。ありがとうございました。