夜道で女性が狙われる犯罪が後を絶ちません。
2019年8月、警察庁から発表された統計資料によると、平成30(2018)年の刑法犯認知件数は63万9722件で、そのうち女性被害は21万9411件で全体の3割程となっています。
出典:SECOME
その中でも「強制性交」「強制わいせつ」など、性犯罪被害者の9割以上が女性が被害にあっています。
痴漢や盗撮・ストーカーなども女性被害の割合が圧倒的に高いのです。
特に性犯罪は、誰にも相談できなかったりといった理由から警察に届けられていない場合も多く、統計の数以上の被害者がいると考えられます。
実際に女性が被害に合っている例が多くあります。
私が今年の3月末に夜道を歩いてたら後ろからガバッと襲われた事件…
状況が進展したようなので再び警察署に行って参りました。
調書協力しただけで被害届まで出してなかったけど、状況を聞いて協力して欲しいとのことで被害届を提出。
性犯罪、許せん。— 永井理沙(Lisa Nagai) (@n_lisa_n) October 30, 2019
ちょっと前の話。残業後の帰宅途中、知らんおっさんに付けられて恐怖のあまり交番に駆け込みました。好きで残業してる訳じゃないのになんでこんな目に遭わなあかんねん。
全女性の皆様、夜道の一人歩き注意なさって下さいね。— Hikali (@Hikali_alive) December 15, 2022
不審者情報
6月3日午後5時頃、市内において、帰宅途中の女性が自転車に乗った男からつまとわれる事案が発生!
不審者は年齢30~40歳位、身長170センチ位、体格小太り、黒色短髪、灰色自転車に乗った男です。夜道の一人歩きに注意!イヤホン、スマホ等を使用しながらの徒歩は危険!— 神奈川県海老名警察署 (@Ebina_police) June 4, 2020
一度被害にあってしまうと、強烈なショック体験による強い精神的ストレスが心のダメージとなってしまい、なかなか強い恐怖から抜け出すことができない状態になってしまいます。(心的外傷後ストレス障害(PTSD))
そうなるとその後の人生を棒にふってしまいます。
そうならないためにも日ごろから防犯対策や心構えをしっかりして、犯罪に巻き込まれないようにしましょう。
防犯グッズ・アイテムや護身術や夜道を歩くためのポイントをご紹介します。
役立つ防犯グッズ・アイテムいろいろ
防犯ブザー
夜道で襲われた際に大音量でブザーを鳴らすことで相手を驚かせて撃退します。
相手を傷つけないので反撃に合わず、安全な防衛方法のひとつです。
1人で歩く際はいつでも鳴らせるように手に持っておきましょう。
フラッシュライト
とても明るい携帯型のフラッシュライトを襲ってきた相手の顔に向けて光らせ、目をくらましているうちに逃げます。
残業の帰りの夜道はフラッシュライトで足元を照らして歩いています。
万が一襲われた際は素早く相手の眼孔目にフラッシュライトを向ける為の準備でもあります。女性の方はお試しあれ!! pic.twitter.com/Y6TRMRZvqa— ⚡︎剣護身術奈良同好会代表 yuchang(田川 泰)⚡︎ (@turugi_nara) December 4, 2019
鍵をにぎる
画像のように自宅の鍵をにぎりこみ、指と指の間にから鍵の先端を出します。
メリケンサックのようなイメージです。
つかんできた相手の手や腕を殴れば、痛くてひるんでパッと手を離してくれるかもしれません。
デメリットはこちらの攻撃に逆上して暴行に合う可能性があります。
催涙スプレー
催涙スプレーは目に入ると非常に痛く、涙が止まらなくなります。
吸い込むと咳き込んだりくしゃみが止まらなくなるスプレーです。
即効性があり、暴漢の撃退に役立ちます。
タクティカルペン
ペン型の護身用具です。
普通にペンとしても使えますが、素材が非常に硬く頑丈なペンです。
使い方は、しっかりと手で握って「刺す」です。
つかんできた手や腕、太もも、背中などを刺しましょう。
女性の力でも厚い段ボールも簡単に貫通するほど威力があります。
レザービリー
ポケットなどに入れて手軽に持ち歩く事ができ、短いので室内にも使用できます。
バネによるしなりがあるので、通常の棒での打撃より強い打撃を与えることができます。
力がない女性でも大きな威力を発揮します。
護身用具と法律について
護身用具を所持する(持ち歩く)際に気を付けなければいけないのは「軽犯罪法」です。
軽犯罪法:正当な理由なく武器などを持ち歩いてはならない
という法律があります。
催涙スプレーやスタンガンなどは武器とみなされます。
警察官は、催涙スプレーやスタンガンを悪事に使用する可能性があるからと言う観点から、基本的に護身のための護身用品の携帯を正当だとは認めません。
しかし、男性より力の弱い女性が夜道を歩いていて襲われた場合、警察が到着するまでの間の10~15分の間おとなしく待っていたら自分の身を守ることができません。
女性が持つ場合については、護身用としての所持の正当な理由となります。
防犯対策・行動のポイント
女性の夜道の防犯対策についてポイントをご紹介します。
このポイントを抑えると夜道で襲われる可能性がだいぶ低くなります。
1 パターン化した行動をしない
帰り道ルートを複数用意して、毎日同じ道を通らないようにしましょう。
2 明るい道やお店や家のあるルートを通る
なるべく明るい道で人通りの多い道を選びましょう。
コンビニなどがあると駆け込めていいです。
いざ襲われても早く気づいてもらえます。
3 ながらスマホやイヤホンをしない
スマホを見ながら歩いたりイヤホンをつけたまま(音楽を聞きながら)歩かないようにしましょう。
犯人が近づいてきた足音や気配が分からなくなります。
4 振り返りながら早足で歩く
時々後ろを振り返りながら歩きましょう。
人や不審な車などがあれば早く気づくことができますし、ルートを変えたり早めに行動に移すことができます。
5 マンションの入り口やエレベーターはまわりを確認してから入る
マンションの入り口や自宅前、エレベーターに乗る際は必ずまわりを見回して不審者がいないかチェックしましょう。
家に帰るまでの間は必ず防犯グッズを握りながら歩いてください。
咄嗟に出せなければ意味がありません。
逃げるための護身術
防犯対策の行動を万全にしたのにもかかわらず、それでも襲われてしまった場合に逃げるための護身術をご紹介します。
実際に見てみて比較的簡単に覚えられるかな、と思った動画を2つご紹介します。
◆富山県警公式チャンネル
「もしもの時の護身術」(子ども・女性安全対策)
古い動画ですが、簡単な動作で逃げることができます。
◆兵庫県警公式チャンネル
「女性のための護身術~フルバージョン~」
富山県警の動画よりも新しく、状況が分かりやすく説明されています。
正直これらの動画を見ただけでいざという時にこんな行動ができるとは思えないので何度か練習しておきましょう。
夜道を安全に帰ろう!
犯人はターゲットとなるあなたの行動を、道端で、あるいは車の中でじっと見ていて狙っています。
同じ道をだいたい同じ時間に通り、無防備な様子を確認してから犯行に及びます。
実際に夜道に手をつかまれたり後ろから抱きつかれた時は、驚きと恐怖で声も出ないと思います。
そして相手が1人だけとは限りません。
上記に述べたような防犯グッズや護身術を身につけていたとしても、複数人で抑え込まれてあっという間に車に乗せられてしまったら女性1人の力ではどうすることもできないのです。
重要なポイントは無防備な姿を見せない、隙を見せない行動です。
早く察知できればその分早く逃げることができます。
普段から、通り道に不審な人や車などがないかを観察しながら行動しましょう。
日頃の警戒心が隙をなくし、より安全に夜道を歩くことができます。