こんにちは。ミチコの夫のタカシです。
今回は以前から気になっていたサブコンを愛車に装着してみました。
その備忘録として装着手順や感想などを書きたいと思います。
TDI-Tuningとは
※今回装着したのは最新モデルではなく、写真の旧モデルです。
まず、TDI-Tuningとはどういうものなのか?
デジタルチューニングボックスというパーツで、お手軽に車のパフォーマンスを向上させる機械です。
ハイエース・デリカ D:5・NV350など国内外のディーゼル車のパワーとトルクが40%アップ。
おまけに燃費も良くなる!という触れ込みの、イイ事づくめのサブコンです。
TDI-Tuning JAPANのホームページにはこのようなパワーアップが可能と謳われています!
昭和生まれで、平成初期からのチューニングブームも経験している身からすると
1馬力1万円と言われていた時代のエンジンチューンに比べて、対費用効果は如何ほどか?
決して安いとは言えないが、謳い文句が本当ならコスパは高いといえる
興味はあったものの、半分眉唾モノだろうと、敬遠していたのも事実で・・・
今回そんなサブコンをテストする機会に恵まれましたので「ホントはどうなの?」を考察してみたいと思います。
TDI-Tuningを導入するに至った経緯
150プラド中期でディーゼルが復活し、気になっていたクルマが現行のお顔になったのを機に購入。
先回、初回車検のタイミングで、ランクル300の話題も盛り上がりましたが(3.3L魅力的!)
現在の異常すぎる人気ぶりと、先の見えない納期で「静観」の判断。
もうしばらくはプラドと遊ぼうと決めた矢先に、自分の周囲で立て続けに3人が同型プラド納車。
チャンスとばかり、ガソリン仕様と2020年8月のマイナーでパワーアップしたディーゼルにも比較試乗
その感想としては・・・
特筆すべきはガソリンモデルの軽さ!(ディーゼルと比較しての話ですよ)
エンジン単体重量の違いが車の動きに大きな違いとして表れます。
鼻先の軽さの違いで、ステアリング操作に対してスッと反応するノーズ
重さが違うのに足回りの設定は共通なのか、バンプ・リバンプともに締まった感じでロールも少なめ。
ディーゼルがユサユサと船に揺られてる感じとしたら、同じ路面でもトトンッと乗用車的にいなしていきます。
ホイールとタイヤの関係もあるでしょうが、見た目は同じ車でも、トラックと乗用車みたいな感覚の違いがあります。
エンジンの性格も数値以上にフィーリングが違い、トラックボディの見た目の割に軽く回ります。
2.7Lという排気量で2tオーバーを加速させる為のパワーを、回転数で稼ぐ味付けでした。
出だしで遅い、という感じは受けません。むしろディーゼルモデルの方がモタモタします。
元来、スポーツカー好きな自分としては、こんなに違うのか!と驚きでした。
ネガを上げるとすれば
トルクの細さは否めず、中間加速はなかなか速度がのりません。
長い上り坂とかも、キックダウン多用しそうな気配。
あとはどうしてもエンジン回りがちで、燃費はそれなり(7~8km/l)
全体的な車の動きは良し!です。
パワーアップ版のディーゼルは・・・
車の動きとしては変わりません(エンジンが重たいんですね)
数字的には30馬力(トルク5kg)上乗せ。変更のアナウンスを聞いた時には、チックショー!と思ってましたが
2000回転弱までは数字ほど大きく変わった感は無く、あれ?
そこから500回転は力強く、加速をしていく中でトルクが太く感じられ、速度の乗りは確実に早くなってます。
(新車なので全開加速は試してません)
あくまで普段の街乗りレベルで走った感じは、一言でいうと「余裕」ができた感じ。2.8の排気量が3.0になった感じといいますか(排気量は変わってませんが)・・・でした。
で、楽になるのは良いな~という思いから、今回ココに手を出して試してみよう!という経緯に至った訳です。
装着車のスペック
今回以下のスペックの車に装着しました。
- 車名:2018年製トヨタランドクルーザープラド
- 排気量:2.754cc
- 公式パワー:130kw(177ps)/3400rpm
- 公式トルク:450Nm(45.9kgfm)/1600rpm
- 公式平均燃費:11.8km/L
装着手順
実際の装着手順をご紹介します。
開封
箱の中には以上のものが入っています。
箱の中身
- 車種別セッテイング済みTDIチューニングBOX
- 車種別コネクター適合ハーネス
- 取付説明書+車種別コネクター位置説明書及びタイラップ
*注)写真のセットは旧パッケージのものです。
現在販売されている、最新モデルで言う所の「ツインチャンネル仕様」となっております。
取付
ボンネットを開けると、中央の黒いカバーがエンジンを覆っています。
カバーの手前側を上方向に持ち上げると、前側2箇所のゴムクリップが外れ、後ろ側を支点に持ち上がります。
そのまま手前に引けばコの字のフックが抜け、カバーが外れます。
取付の為のコネクターは矢印の2箇所のみ。
(拡大)ブーストセンサー
(拡大)燃料センサー
こっちはブレーキチューブとバルクヘッド間で隙間が狭く、手が入りにくいので頑張って!
*各コネクターはぷっくり膨らんでいる凸を押すとロックが外れる構造ですので、押しながら引っ張ると抜けます。
サブハーネス単体ではこんな感じ(コネクターが純正と同じ形状になっていて親切です)
外した所にサブハーネスを結合し、外したコネクターもサブハーネスに結合。
ちょっと写真ではわかり難いですが、「割り込ませる」という表現になりますね。
2箇所とも繋いだら、通電チェック。
いきなりエンジンはかけずに IGN ON状態(プッシュスタートボタン2回押し)でサブコン内のパイロットランプが「緑」になっている事を確認。OKなら蓋を締めて閉めてください。
サブコンを置く位置を検討。私の車は寒冷地仕様ではないので、サブバッテリーの位置がガランドウになってます。熱の影響を考え、ポツンと置く事にします。
ハーネスの取り廻しはエアフロセンサーのハーネスと抱き合せてみました。
熱的には良さげですが、水は被る位置。最新型が防水コネクターを採用している点とロックピンの錆び具合を見て、気休めのジップロック仕様にしておきました!
カバーを戻して完了。
実際にTDI-Tuningを装着してみた感想
装着自体は簡単な作業ですが、
作動としては、センサーの信号に補正を掛けて(本来の値とは違う数値を)純正ECUとの間でやりとりするので、エラーが出る可能性もあります。
*コンピューターが異常数値と判断した場合、ダイアグ判定がNGとなり、車両側が壊れた!とメッセージを発するかも?・・・自己責任でお願いします。
(実際に壊れている訳ではないので、理論的には配線を元に戻せば直りますが異常の履歴は記録されている可能性大)
と、言うわけで
最初の始動は、緊張です。
リスクに腹を括り、「ままよ」とスタートボタンを押すと
ベロン・ガロガロガロ・・・
あっけなく、通常のアイドリングを始めました。
回転は安定。エラーメッセージも無し
初期作動の結果は上々
走行評価
今回テストしている旧型は、ジャンパーピンと呼ばれる小さなヒューズの様な物を差し込む位置で、エコノミーからパワーまで7段階にセッテイングを変更できます
(新型ではボタン及びオプションでスマホから設定可能)
初期設定は4のバランスモードで、20㎞程度の慣らしが推奨されており、車両側コンピュータの学習機能を上書きさせる意図が伺えますので、このまま行ってみます。
ちょっと驚きの、官能評価
違いを探る為、普段通りの走り方で、日常的に通る道を選んで走行
日頃から、明確な意図を必要とする加速(合流や追い越し)以外は50%程度までしかアクセルを開ける事がありませんが、その範囲の中でも1500rpm~2000rpmの範囲(加速中にシフトアップしていく回転数あたり)が明確にトルクアップしています。
NAエンジンで市販マフラー&エアクリ交換の5~10%の出力向上(音と回転フィーリングの変化による気持ちチューン。ほぼプラシーボ)とは別モノ
出だしのモッサリ感も改善が見られると同時に、60km/hまでの速度のノリが確実に早くなってます。これまでの経験から、体感できるレベルとなると最低20~30馬力は上乗せされていないと、大きく変化は無いはず・・・
郊外のバイパスの様な走行条件下では60km+αの速度域で5速ホールドの範囲が広がり1500rp以下でもシフトダウンせずにスルスル行きます。
同様に、上り坂でのシフトダウンも減り、今まで1速落ちていた所でもそのまま登っていく場面が増えました。
感覚的には、定速走行時は車が軽くなったかの様な滑空感を感じられる様になりました。
もっと驚きの燃費評価
データ測定の為、TDIチューニング装着時に車載の燃費表示をリセットし走り回った結果・・・
一般道で、予想以上の13.5km/Lをマーク!
郊外の渋滞の無い時間帯でしたので、かなり条件は良いとは言え
純正ホイールに265/70 17インチのスタッドレスタイヤでの数値
正直、驚きです!
同様の条件で以前なら12km/Lちょい程度で、それでもカタログデータより良い値と満足していた所ですが、それを大きく上回る結果。
燃費向上の主な要因としては、同じ走り方ならアクセルを踏む量と時間が減少。1段上のギアを使ってくれる頻度が増えた事による、ギア比のロング化。この2点が効いていると運転していて判ります。
ネット上には色々と、賛否両論の書き込みがありますが、私の検証結果としては、効果は十分出たと言えます。
*追加検証*
その後、よりリアルな数値を見極める為に、距離を伸ばして変化を見てますが、ちょい乗りの通勤と渋滞も含め5:30の時間を掛け180km程移動した時点で12.5km/L
これまでの平均11km/L前後と比較しても、1.5km/Lの燃費向上分を維持。
総評
今回テストしたのは、旧型のTDIチューニング トヨタ ランドクルーザー プラド ディーゼル への装着
謳い文句の「トルク・パワー40% 燃費20%アップ」とまでは届いていませんが、あくまでもバランス型セッテイングの状態。
7段階のセッテイングそれぞれの最大に振ればあながち嘘では無いというデータが取れました。
燃費効果としては、約14%
=年間15000km / 11km/L X 125円 = 170.454円
=年間15000km / 12.5km/L X 125円 = 150.000円
(年間約2万円)という結果
本体の値段を考えると、元を取るのに約6万キロ走行すればペイできる計算になります。
これを高いと取るか、安いと考えるかは、それぞれの環境と車の使い方次第。
オークションや個人売で見かける事もあり、お得に手に入ればラッキー!
もちろん途中で壊れたり、エラーが出る可能性もある訳で、自己責任が大前提ですが・・・
私の場合は偶然、知り合いが同型のTZ-Gを手放す際に付けていたものを、お安く譲って頂きましたので、すぐにペイできそうです(笑)
気休め。効果なし。という感想も聞かれるサブコンチューニングですが
以前、空冷ポルシェターボに乗っていた際、コンピュータチューンの恩恵はモーテックのフルコン制御の奥深さで十分に知っていました。
シングルタービンのドッカンターボが見事なフラットトルクとなり、エンジン本体に手を入れずとも百馬力近くの出力アップ・・・
しかしながら、その裏には、マップとにらめっこしながら途方もない数のデータを一点一点、手入力で設定していくチューナーの執念とも言うべき作業と、
本体だけで数十万円。センサーとハーネスも含めると百万円単位というコスト
そしてもちろん、ベースにあるのはそこまでやっても壊れない頑丈なポルシェのエンジン本体
今回プラドでテストに踏み切ったきっかけは、マイナーチェンジでパワーアップ版が発売された事。
純正でビッグタービンのブーストアップがOKという事は、元々のエンジン本体にそれだけ安全マージンの余力があるという事を、メーカー自体が保障したのと同じ。
(と、いう個人的な解釈)
このサブコンの説明を見た時に、制御するのは燃料とブースト
と、言うことは、単純にスモールタービンのブーストアップ仕様
高回転でブンブン回して、最大出力を狙うような使い方をしないディーゼルとの相性は良いだろうと想像し
結果、実用回転域での恩恵は実感できるレベル。
他の人にお勧めするかと聞かれれば・・・
エンジンの為に、現行型を買い直すくらいなら、もう少し安く同じ位になりますぜ!(笑)
これが、誰でも簡単に手に入り、ポン付けだけで得られる効果。
令和のチューニングは、お手軽・進化してますねぇ~
また何か・・・気になったらやってみます!